六波羅蜜

六波羅蜜とは、

「布施」と「持戒」と「忍辱」と「精進」と「禅定」と「智慧」の6者をいい、

「最高のさとりに到達する道」といわれる。

まず「布施」は、「ほどこし」を意味する。完全に純真な気持ちで行う物質的なほどこしや精神的な恵みをいう。

後世の仏典には、布施に三種の別ありとし、物品の贈与を単に施与といい自己の妻子を与えるのが大施で、自己の血肉を与えるのが超大施であるという。

持戒」とは、元来は「戒」の意。これは身体(身)・言語(口)・意思(意)の三者による悪行を避けることをいい、特に身体による悪行とは殺生・偸盗・邪淫をいい、言語による悪行とは妄語で、中傷と非難を愉しむことをいう。

次の「忍辱」とは、敵と味方を差別せず、高貴の者と卑賎な者との間に差別を設けることなく、怒りに対して平静で友好的な心の態度(すなわち忍耐)である。

「精進」とは、日夜怠ることなく善行に努め励むことをいい、「禅定」とは、精神を一つの対象に専ら注ぐこと、すなわち自他の統合であり、信実への愛着、貴賤を問わずすべての者に対する慈悲であると説明される。

最後に「智慧」は一切を明確に見通す深い鋭い理智であり、さらにこの世に存在すべての本質は空であるという認識をいう。

 

法華経の学び

法華経 岩波文庫 参考